2024.07.22
本当に女性は将棋に向かないのか
藤井七冠の活躍で盛り上がっている将棋界だが将棋のプロ棋士に女性が一人もいないという話を聞きその理由を探ってみました。
まず女性に将棋というボードゲームが向いていないのではということが言われていますが女性と男性の脳に差がないことは証明されており、全くのデマとなります。
実際同様の能力を使用するチェスでは世界トップ8で争った女性も現れています。
いろいろと調べると将棋のプロ棋士制度そのものに理由がありそうです。
囲碁のプロ棋士制度と比較してみましょう。
囲碁のプロ棋士
現役人数:450人
正規採用枠:年間5名(採用試験による上位者)
女流特別採用枠:年間1名(女性だけで行われる試験の上位者)
外国籍特別採用枠:数年に1名(外国籍で所定の成績を収めた人)
女流特別採用推薦枠:女性で所定の成績を収め院生師範の推薦を受けた人
英才特別推薦枠:小学生で日本棋院の棋士2名以上の推薦があったものを審査
将棋のプロ棋士
現役人数:170人
正規採用枠:年間4名(三段リーグの上位者)
明確な違いは囲碁の方は普及活動も見越して様々な採用枠を持っていることです。
それに比べ将棋は非常に狭き門で現役人数も制限しています。そのかわり現役棋士には収入の保証があります。
この方針の違いは競技人口の差に如実に表れています。
囲碁の競技人口:約4000万人
将棋の競技人口:約600万人
おおよそ7倍くらいの差になっています。
競技人口の差は大会賞金額の差にも反映され賞金額1,000万円以上の大会を比べてみると
囲碁:国際大会9大会、国内大会4大会(総額36,988万円)
将棋:国内大会3大会(総額7,900万円)
になります。
結論として将棋界はあまり普及に力を入れていないため日本人男性以外に普及せず結果として男性のプロ棋士しか存在しないということになります。
今後日本は大幅な人口減少時代を迎えることからこの差はどんどん拡がっていくものと思われます。
また国内大会の賞金額に関しても部数減少にあえぐ新聞社主催であることが多いため賞金額も減っていくことが予想されます。
将棋界が今後も現在の方針を貫く場合はプロ棋士の人数も今以上に減らさざるをえません。
せっかく藤井七冠の活躍で盛り上がっているのにもったいない話です。
大丈夫か将棋界