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採用ノウハウ

派遣法違反とは?違反例・罰則・防止策をわかりやすく解説

 2026.02.12

労働者派遣の受け入れには、労働者派遣法(派遣法)に基づいた極めて細かなルールが存在します。「現場の判断で良かれと思ってやったこと」や「長年の慣習」が、実は重大な法令違反だったというケースは少なくありません。

違反が発覚すれば、行政処分や企業名の公表さらには「労働契約申込みみなし制度」によって意図しない直接雇用義務が発生するなど、経営に甚大な影響を及ぼします。

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1. 【図解】なぜ起こる?派遣・請負・準委任の決定的な違い

派遣法違反の多くは、契約の「名称」と現場の「実態」がズレることから始まります。まずは混同されやすい3つの契約形態を整理しましょう。

項目 労働者派遣 請負 準委任
指揮命令権 派遣先にある 受託企業にある 受託企業にある
業務の目的 労働力の提供 仕事の完成(成果物) 業務の遂行(プロセス)
残業等の指示 派遣先が出す 受託企業が出す 受託企業が出す

最も多い違反は、請負契約なのに派遣先が直接指示を出してしまう「偽装請負」です。現場のリーダーが「ついでにこれもお願い」と個人に直接頼んだ瞬間、リスクが発生することを認識しておかなければなりません。

2. 実務で陥りやすい派遣法違反12選

現場で特に発生しやすい違反を、4つのカテゴリーに分けて解説します。

① 契約と実態の乖離(現場運用リスク)

  1. 偽装請負:請負契約でありながら、派遣先が作業者に直接指示を出す。

  2. 二重派遣:受け入れた派遣スタッフを、さらに別の会社(関連会社など)へ送り込み、そこで指示を受けさせる。

  3. 契約外業務の実施:契約書に記載のない業務や、想定外の残業を本人の合意のみで強いる。

② 期間と対象の制限(管理不足リスク)

  1. 抵触日超過:事業所単位(3年)や個人単位(3年)の期間制限を超えて受け入れを継続する。

  2. 派遣禁止業務での就業:建設、港湾運送、警備、医療関連(一部例外あり)などの禁止業務に従事させる。

  3. 日雇い派遣の原則禁止違反:30日以内の短期派遣を、例外要件を満たさないスタッフで行う。

  4. 離職後1年以内の元従業員の受け入れ:自社を退職して1年以内の人を、派遣スタッフとして元の会社で受け入れる。

③ 採用・選考プロセス(特定行為リスク)

  1. 事前の面接・選考:派遣先がスタッフを選別する行為。

  2. 履歴書の提出要求:個人を特定できる書類を事前に提出させる。

  3. 若手限定などの条件指定:性別や年齢を限定してオーダーを出す。

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④ 労働条件・処遇(待遇リスク)

  1. 就業条件等の明示義務違反:業務内容や休憩時間などを正確に周知しない。

  2. 同一労働同一賃金への不対応:派遣スタッフに対し、正社員と比較して不合理な待遇格差(食堂利用や教育訓練の除外など)を設ける。

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3. 違反発覚時のペナルティ:刑事罰から「みなし制度」まで

「悪気がなかった」では済まされないのが派遣法の厳しい側面です。

行政処分と企業名公表

労働局からの是正勧告に従わない場合、改善命令や事業停止命令が下されます。最もダメージが大きいのは「企業名の公表」です。SNSやニュースで拡散されれば、社会的信用の失墜、ひいては新規採用の困難を招きます。

労働契約申込みみなし制度

以下の違反があった場合、派遣先がそのスタッフに対し、「直接雇用の申し込みをした」とみなされる制度です。

  • 派遣禁止業務への受け入れ

  • 無許可業者からの派遣受け入れ

  • 期間制限(抵触日)を超えた受け入れ

  • 偽装請負(偽装と知りつつ受け入れている場合)

スタッフが承諾すれば、その時点で直接雇用が成立します。想定外の人件費発生や労務トラブルの原因となり得ます。

参考:労働契約申込みみなし制度の概要|厚生労働省

4. 【実務用】派遣法違反を防ぐ5ステップ・チェックリスト

トラブルを未然に防ぐため、以下の5項目を定期的に確認しましょう。

  1. 契約書の定期確認:現場の業務内容が、個別契約書の記載範囲内に収まっているか?

  2. 指揮命令系統の明確化:スタッフへの指示出しは「現場責任者」に集約されているか?

  3. 職場見学のルール化:面接にならないよう、質問内容をテンプレート化しているか?

  4. 抵触日管理の自動化:アラート機能を使い、期限の3ヶ月前には方針(直接雇用か終了か)を決めているか?

  5. 派遣元とのコミュニケーション:スタッフの不満や運用のズレを早期にキャッチできる関係性を築いているか?

5. まとめ:コンプライアンスが「採用力」を加速させる

派遣法違反を避けることは、単なる「守り」ではありません。

法を遵守し、適正な労働環境を整えている企業には、優秀な人材が集まりやすくなります。逆に、コンプライアンスが疎かな現場ではスタッフの離職が相次ぎ、結果として採用コストが増大するという悪循環に陥ります。

「今の運用が法的に正しいか自信がない」「トラブルを防ぎつつ、より効率的な人材活用を模索したい」という担当者様は、ぜひ一度私たちにご相談ください。

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