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採用ノウハウ

採用コストを削減する8つの方法|優先順位と着手順を採用担当者向けに解説

 2026.08.20

「採用にかけたコストが増えているのに、なかなか良い人材が採れない」「経営層から採用費を削減するよう求められているが、どこから手をつければいいかわからない」——そうした悩みを抱える採用担当者は少なくありません。求人媒体の掲載費、エージェントへの成功報酬、選考対応に費やす社内工数……採用コストは複数の要素が絡み合っており、闇雲に削ろうとしても効果が出にくいのが実情です。

なお、採用コストの相場や一人当たりの平均値については、一人当たりの採用コスト平均は?正しい計算式と費用を抑える秘策で詳しく解説していますので、まず自社の水準を確認したい方はそちらをご参照ください。

本記事では、採用コストの内訳を構造的に整理したうえで、「どの施策からどの順番で着手すれば削減効果が出るか」という優先順位の考え方を中心にお伝えします。今すぐ始められる低コスト施策から、中長期を見据えた投資型の取り組みまで、実務に直結する形で解説します。採用担当者として上司や経営層に説明できる根拠とともに、コスト削減の筋道を整理していきましょう。

採用コストの内訳——外部コストと内部コストを整理する

採用コストの削減に取り組む前に、まずは「何にお金と時間がかかっているか」を正確に把握することが不可欠です。採用コストは大きく「外部コスト」と「内部コスト」の2種類に分けて考えると整理しやすくなります。多くの企業が外部コスト(=直接支出)だけに注目しがちですが、内部コストを見落としたまま施策を打っても、削減効果は限定的になります。

外部コストの主な項目

外部コストとは、採用活動のために外部の会社やサービスへ支払う費用の総称です。主な項目は以下のとおりです。

求人媒体掲載費:IndeedやリクナビNEXT、マイナビ転職といった求人媒体への掲載費用です。採用の有無に関わらず掲載期間中は費用が発生するため、採用ゼロでもコストだけが積み上がるリスクがあります。

人材紹介(エージェント)手数料:転職エージェントを活用した場合の成功報酬費用です。中途採用では内定者の年収の30〜35%程度が相場とされており、一人採用するだけで数十万円から百万円を超えるケースも珍しくありません。

ダイレクトリクルーティングツール費:ビズリーチやOpenWorkなどの月額課金型ツールや、スカウト送信の都度費用が発生するサービスも含まれます。

その他外部サービス費:採用管理システム(ATS)の利用料、適性検査・SPI受験費用、バックグラウンドチェック費用なども外部コストに該当します。

内部コストの主な項目

内部コストとは、自社の人員が採用活動に費やす時間・工数を金銭換算したものです。請求書として届かないため見落とされやすいですが、会社全体のコスト負担という観点では無視できません。

採用担当者の工数コスト:求人票の作成、媒体との折衝、応募者対応、書類選考、面接日程の調整など、採用担当者が日々費やす時間はそのまま人件費コストになります。月給30万円の担当者が就業時間の50%を採用業務に充てているなら、月15万円分の工数が採用に投じられている計算です。

面接官(現場社員・管理職)の時間コスト:一次面接・最終面接に呼ばれる現場社員や管理職の時間も、内部コストとして換算すべきです。面接1回あたり1〜2時間 × 複数名の面接官 × 応募者数で、想定より大きな工数がかかっていることがあります。

オンボーディング費用:入社後の研修・OJT対応にかかる教育担当者の工数、研修資料の整備費用なども採用に関連する内部コストとして捉えることができます。

外部コストだけを削減しようとすると、「媒体掲載をやめたら応募が来なくなった」という本末転倒な結果になりかねません。外部・内部の両面を把握してから施策を選ぶことが、効果的なコスト削減の出発点です。

採用コストが膨らむ3つの原因

施策を打つ前に、なぜ自社の採用コストが膨らんでいるのか、原因を特定することが重要です。原因を見極めずに施策を実行しても、的外れな投資で終わるリスクがあります。採用コストが増大しやすい背景には、主に3つの構造的な原因があります。

媒体・エージェント依存によるコスト高

採用チャネルとして求人媒体とエージェントのみに頼っている場合、構造的にコストが高くなりやすい状態が続きます。エージェントは確かに質の高い候補者を紹介してくれる反面、採用決定のたびに年収の30〜35%程度の手数料が発生します。年収500万円の候補者を採用するだけで、150万円以上の手数料を支払うケースもあります。

問題は、これが「1回きりのコスト」で終わらない点です。採用活動を続ける限りエージェント依存が継続し、採用単価が高止まりした状態が固定化されてしまいます。「エージェントしか使っていない」「媒体を複数同時掲載しているが効果測定していない」という状態は、コスト増大の温床です。

選考途中での離脱(歩留まり不良)

応募から採用決定までの各ステップ——書類選考、一次面接、二次面接、最終面接、内定承諾——のどこかで候補者が大量に離脱していると、採用コストが跳ね上がります。たとえば100人の応募を集めるために媒体掲載費20万円を使ったとして、書類選考後に10人、一次面接後にさらに5人が離脱し、最終的に1名しか採用できなかったとすれば、採用単価は20万円になります。

歩留まり不良が起きている場合、「母集団形成コスト(媒体費・エージェント費)」は同じでも採用単価だけが上昇する構造になります。どのステップで離脱が集中しているかを測定し、そのボトルネックを解消することが、コスト削減の直接的な手段になります。

ミスマッチによる早期退職と再採用コストの発生

採用コストが実質的に2倍になる最大の要因が、入社後の早期退職です。せっかく採用した人材が1年以内に退職してしまうと、再び採用活動を始めなければならず、前回の採用コストに加えて新たな採用コストが発生します。

たとえば一人を採用するのにかかったコストが60万円だった場合、1年以内に退職・再採用が必要になれば実質120万円以上がかかります(オンボーディングの工数コストや引き継ぎ対応を加えればさらに増加します)。ミスマッチは採用コスト削減の文脈で語られることが少ないですが、トータルコストを見れば最も大きな損失要因のひとつです。

採用コスト削減の優先順位マップ(インパクト×実行難易度)

採用コスト削減の施策は多岐にわたりますが、すべてを同時に進めることは現実的ではありません。「コスト削減インパクトの大きさ」と「実行難易度(準備・投資・社内調整が必要かどうか)」の2軸で施策を評価し、優先順位を決めることが実務上のポイントです。

大まかな考え方として、施策は「今月から着手できる低コスト・高効果の施策」「3か月を見据えた中難易度の施策」「長期投資として取り組む大きなリターンを狙う施策」の3段階に分けて計画すると、経営層への説明もしやすくなります。

今月から着手できる施策(低難易度・高効果)

求人票の改善:採用コストを一切かけずに成果を変えられる最も即効性のある施策です。「なんとなく書いた求人票」を見直し、仕事内容・職場環境・求める人物像を具体的に書き直すだけで、応募者の質と量が変わることがあります。「誰でも歓迎」の書き方より「このような方に活躍してほしい」と具体的に絞り込んだ求人票のほうが、マッチ度の高い応募が集まりやすいです。

リファラル採用の制度整備:既存の社員に知人・友人を紹介してもらうリファラル採用は、採用単価が低く定着率が高い傾向があります。制度自体は「紹介1件ごとに3万円のインセンティブ支給」といったシンプルな設計でも機能します。エージェント手数料の数分の一のコストで採用できることも珍しくなく、即日導入が可能です。

選考回数・面接回数の見直し:3〜4回の面接を行っている企業が、面接回数を2回に削減しただけで内定承諾率が改善したケースがあります。面接回数が多いほど候補者の離脱リスクが高まり、面接官の工数コストも増えます。「何のためにこの選考ステップがあるのか」を問い直し、不要なプロセスを削ることは今すぐできるコスト削減です。

3か月後を見据えた施策(中難易度・高効果)

ダイレクトリクルーティングの導入:スカウト型の採用サービスを活用することで、エージェントを介さずに候補者へ直接アプローチできます。ツールの月額費用はかかりますが、採用成功時のコストはエージェント手数料の数分の一になるケースが多いです。自社からスカウトメッセージを送る工数が必要になるため、担当者のリソース確保が前提条件になります。

ATS(採用管理システム)による選考プロセスの自動化:応募管理・面接日程調整・候補者とのコミュニケーションを一元管理できるATSを導入することで、採用担当者の工数を削減できます。月額数万円のコストが発生しますが、担当者の対応工数が週に数時間削減されれば、3〜6ヶ月で投資回収が見込めます。Hrmos採用・JOBCAN採用・Talentioなど、中小企業でも導入しやすいサービスが充実しています。

長期投資型の施策(高難易度・大きなリターン)

オウンドメディア採用・採用ブランディング:自社のブログやSNS、採用専用のオウンドメディアを通じて企業の魅力や働き方を発信し、自社に共感してくれる候補者を集める手法です。初期の記事制作・コンテンツ整備には時間とコストがかかりますが、一度コンテンツが積み上がれば継続的に応募が来る状態を作ることができます。媒体費やエージェント費に依存しない採用チャネルを育てることが、長期的なコスト削減の鍵です。

自社採用サイトの強化:Indeedや求人媒体を経由せず、自社サイトから直接応募を受け付ける仕組みを整えることで、媒体掲載費を抑えることができます。SEO対策を施した採用ページや「採用FAQ」「社員インタビュー」などのコンテンツを充実させることで、求職者が直接自社にたどり着く確率が上がります。

採用チャネル別のコスト比較と使い分け

採用コストを最適化するうえで重要な視点が、採用チャネルの「組み合わせ方」です。1つのチャネルだけに頼る一本化戦略は、コスト面でも採用リスク面でも脆弱です。チャネルごとの特性と概算コストを理解し、目的や採用ポジションに応じて使い分けることが採用単価の低下につながります。

求人媒体(掲載型)とエージェント(成功報酬型)

求人媒体(掲載型):IndeedやリクナビNEXT、マイナビ転職、エン転職などの掲載型媒体は、掲載期間中は応募の有無に関わらずコストが発生します。掲載費用は媒体・プランによって異なりますが、数万円〜数十万円/クールが一般的です。応募が多く集まる職種・地域では費用対効果が高い一方、マッチ度の低い応募が大量に来てスクリーニング工数がかさむ場合もあります。

エージェント(成功報酬型):採用が決定した場合のみ費用が発生する点はリスクが低いですが、成功報酬の水準が高い(年収の30〜35%が目安)ため、採用単価は最も高くなりやすいチャネルです。専門職や管理職など難易度の高いポジションや、急いで採用したい場合には有効な選択肢ですが、日常的に多数の採用を行う場合はコスト構造が厳しくなります。

ダイレクトリクルーティングとリファラル採用

ダイレクトリクルーティング:ビズリーチやOpenWork、Wantedlyなどのプラットフォームを通じて、企業側から候補者に直接スカウトを送るチャネルです。ツールの月額費用(数万円〜)はかかりますが、採用1件あたりのコストはエージェントより大幅に抑えられることが多く、採用単価の削減効果が大きいチャネルです。自社担当者がスカウトメッセージを作成・送信する工数が必要になるため、担当リソースの確保が前提となります。

リファラル採用:既存社員からの紹介を活用するリファラル採用は、採用チャネルの中でも最もコストが低い部類に入ります。紹介インセンティブとして3〜10万円程度を設定しているケースが多く、それでもエージェント手数料と比べれば大幅に低コストです。加えて、紹介者が職場の実態をある程度伝えてから入社するため、ミスマッチが少なく定着率が高い傾向があります。制度設計と周知を行うだけで即日スタートできる点も魅力です。

自社採用サイト・オウンドメディア採用

自社採用サイトやオウンドメディアを通じた採用は、初期構築にコストと時間がかかるものの、一度仕組みが稼働すれば媒体費・エージェント費に依存しない状態を作れます。自社サイトからの直接応募が増えるほど採用単価は下がり続ける構造であるため、採用を継続的に行う企業にとって中長期的なコスト削減の本丸になりえます。

重要なのは、これらのチャネルを「どれか1つを選ぶ」という発想ではなく、「自社の採用規模・職種・予算に応じて組み合わせる」という視点で捉えることです。たとえば「通常の採用はリファラルと自社サイトで賄い、急募ポジションにだけエージェントを使う」という組み合わせを設計するだけで、全体の採用コストを大幅に圧縮できます。

選考プロセスの効率化で内部コストを削る

採用コストの削減というと外部コスト(媒体費・エージェント費)に意識が向きがちですが、内部コスト——すなわち採用担当者や面接官が費やす工数——の削減も重要な施策です。とくに採用担当者が少人数で多数のポジションを抱えている中小・中堅企業では、工数の効率化が採用スピードと品質にも直結します。

動画選考の導入:一次選考に動画選考(録画面接)を取り入れることで、書類だけではわからない候補者の人柄・表現力を確認しつつ、候補者・面接官が同じ時間に集まる必要をなくすことができます。面接日程調整のやり取りが減り、担当者の工数を削減できます。

適性検査・スクリーニングテストの活用:書類選考と一次面接の間に適性検査を設けることで、最終面接に進む候補者の質を高め、面接官が費やす時間を効率化できます。検査費用は1件あたり数千円程度が多く、面接官の時間コストと比較すれば費用対効果は高いです。

歩留まり率の測定とボトルネック特定:選考プロセスを改善するには、まずどのステップで離脱が起きているかを数値で把握することが必要です。「応募数→書類通過数→一次面接実施数→二次面接実施数→内定出し数→内定承諾数」の各ステップで人数を記録し、ステップごとの歩留まり率を算出します。どのステップの離脱率が特に高いかを特定できれば、ピンポイントで改善施策を打てます。たとえば「一次面接から二次面接の歩留まりが低い」場合は面接内容や日程調整の問題が考えられ、「内定から承諾の歩留まりが低い」場合は条件提示やオファー面談の進め方に課題がある可能性があります。

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ミスマッチ防止が採用コスト削減の最大レバー

採用コストを削減するための施策を実行していても、入社後に早期退職が起きてしまうと、せっかく下げたコストが再び発生します。入社1年以内の退職は採用コストの再発生を招くだけでなく、現場社員の士気低下や再育成の工数も加わるため、実質的なダメージは採用コスト単体より大きくなります。つまり、ミスマッチ防止は採用コスト削減の文脈で最も効果が大きいレバーのひとつです。

採用ペルソナを明確にする

採用ペルソナとは、「自社が採用したい人材像を具体的に言語化したもの」です。「やる気のある方歓迎」「幅広く活躍できる方を求む」といった曖昧な採用要件では、応募者も自社に合うかどうか判断できないまま選考に進んでしまいます。

ペルソナ設計では、年齢・経験年数・保有スキルといったスペック面だけでなく、「どんな志向・価値観を持つ人が自社の文化にフィットするか」「どういった働き方を求める人に長く活躍してもらえるか」まで解像度を上げることが重要です。たとえば「チームで協力しながら進めることが好きで、成果よりプロセスを大切にできる方」というペルソナを設定すれば、個人プレー志向の方が応募してきたときに選考の早い段階でミスマッチを見抜きやすくなります。

明確なペルソナは、求人票の言葉選び・媒体選定・面接での質問設計・内定後のコミュニケーションにまで一貫して活用できます。定義したペルソナを採用担当者だけでなく現場の面接官とも共有することで、選考基準のズレを防ぎ、合否判断の精度が上がります。

RJP(リアルジョブプレビュー)で定着率を上げる

RJP(Realistic Job Preview:リアルジョブプレビュー)とは、採用活動の中で業務のポジティブな面だけでなく、大変な面・難しい面も正直に候補者に伝える手法です。「残業が多い時期がある」「クレーム対応が発生することがある」「立ち上がりに1〜2年かかる仕事だ」といったリアルな情報を事前に伝えることで、入社後の「こんなはずじゃなかった」というギャップを減らすことができます。

一見すると「ネガティブな情報を伝えると内定辞退につながるのでは」と感じるかもしれませんが、実際にはRJPを実施することで「自分には合わない」と判断した候補者が早期に辞退する一方、「それでも入りたい」と前向きに判断した候補者の定着率は向上する傾向があります。早期辞退が増えることで採用コストが無駄になるように見えますが、入社後に早期退職されるよりも遥かに低コストで済みます。

RJPの実践手段としては、採用ページへの「社員のリアルな声」コンテンツの掲載、採用面接でのオープンな質疑応答、内定後のオファー面談での職場見学などが有効です。これらは大きなコストをかけずに実施できるため、ミスマッチ防止策としてすぐに取り入れることができます。

派遣・人材会社が採用コスト削減で果たせる役割

corp.joblink.co.jpをご覧いただいている方の多くは、派遣・人材会社の採用担当者や経営者の方々です。このセクションでは、人材会社ならではの視点で「自社の採用コスト削減」と「クライアント企業への採用コスト削減提案」の2つの側面からお伝えします。

自社の派遣スタッフ・登録者を集めるコスト削減:

人材会社にとっての「採用コスト」は、派遣スタッフや求職者の登録を増やすための費用です。求人媒体への掲載費・スカウト費用・SNS広告費などが主なコスト要素ですが、これらを削減するには「自社に登録したいと思わせるコンテンツ・情報発信」の充実が有効です。

たとえば、自社サイトやSNS(Instagram、X、TikTokなど)で「お仕事紹介動画」「登録スタッフのリアルな声」「スタッフが活躍している職場の雰囲気」を発信することで、求人媒体に頼らずとも登録者を集めるオーガニックな流入が育ちます。長期的にはコストゼロに近いチャネルが育ち、登録1件あたりのコストを大幅に引き下げられます。

また、登録フローのUX(ユーザー体験)を改善することも重要です。「スマホから2分で登録完了できるか」「登録完了後に次のアクションが明確か」といった点を見直すだけで、離脱率が下がりコンバージョン率が改善します。流入コストが同じでも、登録率が上がれば実質的な1件あたりのコストは下がります。

クライアント企業への採用コスト削減提案:

人材会社がクライアント企業の採用担当者と話す場面では、「採用コストと工数の削減」を切り口とした提案が有効です。クライアント企業が「採用に工数がかかりすぎている」「選考管理が煩雑で本業に集中できない」という課題を抱えているなら、採用代行(RPO)やBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)のサービスを提案することで、コストと工数の両方を一括して解決できる選択肢を提供できます。

提案フレームとしては、「現状の採用担当者が採用に費やしている工数を時間換算し、アウトソーシングした場合のコストと比較する」というアプローチが具体的です。「採用担当者が月80時間を採用に使っているなら、その工数コストは◯◯万円。アウトソーシングにかかる費用より高い場合、BPO活用のほうが合理的」という試算を提示することで、担当者が経営層を説得しやすくなります。

人材会社として単に「求人媒体に出しませんか」という提案から、「採用コスト全体を最適化するパートナー」という立ち位置への昇華が、クライアントとの長期的な関係構築にもつながります。

採用コスト削減の効果を測るKPI設計

採用コスト削減の施策をいくら実行しても、効果を測定しなければ改善のサイクルが回りません。「削減できたかどうかわからない」という状態は、次の投資判断も難しくします。ここでは、採用コスト管理において最低限押さえておくべき4つのKPIを紹介します。

① 採用単価(採用コスト ÷ 採用人数):最も基本的な指標です。期間ごと・チャネルごとの採用単価を記録することで、どのチャネルが費用対効果が高いかを判断できます。採用単価の計算方法・業界別の相場については、一人当たりの採用コスト平均は?正しい計算式と費用を抑える秘策をご参照ください。

② 採用リードタイム(求人公開から内定承諾までの日数):リードタイムが長いほど採用担当者・面接官の工数が増え、内部コストが膨らみます。ポジション別・チャネル別のリードタイムを管理することで、どこに時間がかかっているかを特定できます。

③ 内定承諾率(内定出し数 ÷ 内定承諾数):内定を出しても承諾されなければ、選考にかけたコスト・工数がすべて無駄になります。内定承諾率が低い場合、条件面での競合負け・オファー面談の質・候補者とのコミュニケーション不足などの原因が考えられます。

④ 入社1年後定着率:採用コスト削減の文脈で最も重要でありながら、管理されていないことが多い指標です。入社1年後の定着率を追うことで、「採用の質」を評価できます。定着率が低い場合はミスマッチが起きている可能性が高く、採用プロセス全体の見直しが必要です。

これら4つのKPIを月次または四半期ごとに記録・レビューすることで、施策の効果検証と次の打ち手の判断が可能になります。採用担当者だけでなく経営層にも共有できる形で数値を整理することが、採用コスト削減を組織全体の取り組みとして継続させる鍵です。

まとめ

本記事では、採用コストの削減に取り組むうえで必要な考え方と、優先順位を踏まえた施策の全体像を解説しました。要点を以下に整理します。

・採用コストは「外部コスト(媒体費・エージェント費)」と「内部コスト(担当者・面接官の工数)」の両面から把握することが重要。外部コストだけを削っても効果は限定的になりやすい。

・施策は「今月から着手できる低難易度高効果のもの(求人票改善・リファラル制度・選考回数削減)」から始め、余裕ができたらダイレクトリクルーティングやATS導入などの中期施策へと順番に移行するのが現実的。

・採用コスト削減の最大レバーはミスマッチ防止。ペルソナ設計の精度を上げ、RJP(リアルジョブプレビュー)を活用して早期退職による再採用コストの発生を防ぐことが、長期的なコスト最適化の本質。

・採用単価・リードタイム・内定承諾率・定着率の4つのKPIを定期的に測定し、施策の効果を検証しながら改善サイクルを回し続けることが重要。

採用コスト削減は、一度の施策で完結するものではなく、継続的な改善の積み重ねによって成果が出るものです。まず今月から着手できることを一つ決め、実行することから始めてみてください。

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