2024.11.18
CDSの功罪
最近CDSに関する記事を読んだので今回はそれについて投稿したいと思います。
CDSとは何かというと債権に対する保険のようなものです。
例えば企業Aが企業Bの債権を買っていたとします。
企業Bが破綻してしまった場合、債券が無効になってしまい企業Aは多大な損害を受けます。
CDSはこのケースに対する保険のようなもので別の金融機関に保険料を払うことによって企業Bが破綻した場合でも保険金を受け取ることで損害を最小に抑えることができます。
ここまでは何の問題もありません。
ところがこのCDSこの図でいう企業Aとも企業Bにも関係のない第三者が買えてしまいます。
そうなると話は違ってきて多分にモラル的な問題が発生します。
CDSを購入した第三者は企業Bが破綻しない限り定期的に払う保険料分だけ丸損します。
つまり企業Bが破綻することを見越してのCDSの購入となります。
これが問題なのは一般的な保険と置き換えて考えるとよくわかります。
ある人が全く関係のない人の持ち家の火災保険に加入するようなものです。
この場合火災保険に加入した人は対象の家が火災にあわない限り保険料の支払い分だけ丸損になります。
自分で放火するのはもちろん犯罪ですが対象の家を放火しようとしている人を見つけたとしても見て見ぬふりぐらいはしかねません。
リーマンショック時にもまさにこの問題が起きました。
リーマンショックの原因の1つにサブプライムローンを集めて商品化されているモーゲージ証券の仕組みが難しくまともに評価できる人がだれもいなかったという状況があります。
まともに評価できる人がだれもいないためCDSに対する保険料の算出もまともに出来るはずがありません。
事実モーゲージ証券のCDSの販売を行っていたAIGも破綻寸前となり850億ドルの公的支援でようやく救済することができています。
この時にもちろんAIGはモーゲージ証券に対する保険金を払っているのですが保険金を受け取った会社(または人)はリーマンショックで損害を受けた会社(または人)ではありません。
つまり保険金はリーマンショックの損害の補償には使われず破綻することに賭けてマネーゲームを仕掛けた第三者に渡っています。
どう考えてもおかしくはないでしょうか?
こういったモラルにかけた仕組みは規制すべきかと思います。