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 2025.01.27

アメリカの失敗、日本の失敗

コロナ対応に関してアメリカは大失敗を犯しました。

死者の数は他国よりも明らかに多く、失敗の度合いは先進国の中でも随一となっています。

その原因を探ることで日本の現状、そして未来も見えてくると思います。

未知のウィルスに関してアメリカが想定も準備もしていなかった訳ではありません。

むしろ他国よりも早く20年以上前の911テロの頃から対策をはじめていました。

その後もメキシコで起きた豚インフルエンザなど緊張を強いられる場面があり、決して組織的に緩んでいたわけでもありません。

それではなぜこのような失敗を犯したのでしょうか。

最大の理由は対策を担当する組織であるCDC(疾病対策センター)にあります。

CDCはアメリカトップの疫学組織のためトップレベルの大学出身者で構成されています。

高学歴でこういったトップ組織に入った人は人生で一回もつまづいたことがなく失敗することを極度に恐れる傾向にあります。

実際メキシコで起きた豚インフルエンザ対策においても都市封鎖などの極端な政策を嫌い、比較的緩やかな政策に終始しました。

ひとえに担当者が失敗を恐れるがためです。

幸いにも豚インフルエンザは弱毒性だったため緩やかな政策がかえって功を奏すことになりました。

ここでの成功体験もその後のコロナ対策の失敗につながっていきます。

CDCは高学歴のとても優秀な人材で構成されているにもかかわらず合理的判断を下すことができない組織となりました。

こういった状況であっても本来であれば政治判断で組織に命令を下せば問題なかったのですが時のトランプ大統領がコロナ対策にあまり積極的ではなく、失敗を後押ししました。

CDCの状況は日本の官僚組織の現状にとてもよく似ています。

国家観がないと揶揄される日本の官僚ですが特別彼らが無能というわけではありません。

むしろ与えられた職務であれば完璧にこなせるでしょう。

問題はむしろ失敗を極度に恐れ大過なく過ごすことに懸命な官僚のいいなりになる政府のほうにあります。

まともな国家観を持って官僚を動かす政治家の選択は国民の責務であり、ここ数年でできなければ日本という国は立ち行かなくなるかもしれません。

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