2024.04.01
さとり世代に学ぶ幸福論
最近幸福度ランキングが発表されました。
日本はというと51位で先進国の中でも結構低めな位置にいます。
では幸福とは何かと問われるとかなり難しいです。
多くの人は人生の目的は幸福であるといいます。
ですが幸福とは刹那的であり相対的なものであるため人によってもまたその場面においても感じ方が異なってきます。
例えば社会人になって初めて給料をもらったとします。
はじめてもらう大きなお金になるのでその場面では幸福に感じるでしょうが人はなれてしまうので回数を追うごとに幸福とは感じなくなってしまいます。
また世代によっても差が出てきます。
戦後まもなくの生まれの人と平成生まれの人を比べてみましょう。
戦後まもなくは食料もろくになく生きることに精一杯の環境でした。
その後日本は経済成長を果たしていきます。
この世代の人たちは今日よりは明日がよりよくなっていくことを身を持って体験しているため常に多くを求め、求めたものが得られることによって幸福を感じます。
逆に平成生まれの人は生まれたときにはすでにものにあふれており、生きること自体に労力を使う必要はありません。
ですが経済的には低迷期を迎えており今日より明日がよくなっていく体験はありません。
客観的にみると戦後まもない人よりは平成生まれの方が幸福のように見えますが感じ方は全くの逆となっています。
自殺者の数は圧倒的に現代の若者の方が多くそのことを物語っています。
現代資本主義の思想の1つである功利主義では
「最大多数の最大幸福」
を目的としますが現状を鑑みると格差が拡がるばかりで破綻しているように思われます。
現代の若者はさとり世代といわれており
「高い目標を掲げることなく現実的な生活を好んでいる」
とのことです。
これこそが現代人に求められている答えではないでしょうか。
くしくも今から2千年以上も前のギリシャの詩人エウリピデスが現在を表す言葉を残しています。
「幸福は安定せず、暫定的なり」